昨今の建設業界は大きな転換期を迎えています。建設需要が堅調な一方で資材の高騰や人手不足が常態化し、事業主にとってはコスト上昇と工期の不確実性が無視できないリスクとなっているからです。
こうした課題の解決策として注目されているのが「システム建築」です。本記事ではシステム建築の基礎知識から在来建築との違いに加え、内藤ハウスのシステム建築が持つ独自の強みも詳しく解説します。
現在、国内の建設市場は物流施設の需要拡大や、老朽インフラの改修・建て替えなどにより、一定の需要を維持してはいますが、供給側のリソースは逼迫しています。特に資材の高騰と技能者不足はコスト増だけでなく、工期の長期化をも招く大きな要因となっています。
こうした状況下で事務所や倉庫を建設する際、強く求められるのが「短工期」「コストの予見性」「品質の安定性」です。
そして、このような状態を受けて関心が高まっているのが、建築プロセスそのものを合理化する「システム建築」です。それは、設計から部材制作、施工までを一つの体系(システム)として整理することにより、不透明な時代における事業計画の確実性を高められるからです。
システム建築というのは鉄骨構造や屋根、外壁などの部材に加え、設計ルールそのものを規格化した建築手法です。これは一棟ごとにゼロから設計する在来建築に対し、あらかじめ体系化された標準システムを適用して建築を行うというものです。在来建築と比較した場合、この方法にはどんなメリットがあるのでしょうか。
・規格化がもたらす品質と効率
まず、一棟ごとにゼロから設計する在来建築は自由度が高い反面、フルオーダーで鉄骨他、資材を手配するため、材料の納入や加工に時間を要します。一方、システム建築は規格部材を使用した設計・生産が行なわれます。工場であらかじめ高精度に加工された部材を使用するため、現場での作業を軽減できるだけでなく、部材ごとのバラツキも抑えることができるので、安定した品質を確保できるのが大きなメリットです。
・コストの均一化・工程の安定化
規格部材を採用することで、鋼材の仕入れコストを抑制し、さらには制作期間も短縮できます。設計段階で構造やコストが明確になるため、見積り精度の向上や予算超過リスクの低減が期待できる点は、事業主にとっての大きな利点となるでしょう。設計の自由度と合理性のバランスが高次元で両立されているシステム建築は、確実性が求められる現代のニーズに即した工法だと言えます。
・大空間の実現と利便性
システム建築は強度の高い鉄骨を使用するため、無柱の大空間も効率的に構築できます。鉄骨の特性を活かして柱と柱の距離を長く取るロングスパン設計を採用することにより、設備や什器のレイアウトを妨げることなく事業計画に合わせた自由度の高い内部空間が確保できるのです。
また、耐久性や耐火性においても鉄骨造ならではの安心感があり、将来的な用途変更やレイアウト変更にも容易に対応可能な利便性を備えています。
現在のシステム建築は技術的に大きく進歩しており、在来建築と比較しても十分な汎用性を備えています。構造面では在来建築と同じく「軽量鉄骨造」と「重量鉄骨造」の選択肢があり、小規模な事務所や店舗の建築ならスピードと経済性に優れた軽量鉄骨、大スパンや高天井が必要な大規模施設には強固な重量鉄骨といった使い分けが可能です。
軽量鉄骨については下記の記事もご覧ください。
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重量鉄骨システム建築については下記の記事もご覧ください。
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進化したシステム建築の合理的な仕組みは、建築用途の面でも大きな広がりを見せています。柱のない大空間を必要とする工場・倉庫や、拠点の早期開設が求められる事務所に加え、レイアウトの自由度を確保したい店舗まで幅広く対応できます。さらに、安定した工期や経済性が要求される医療福祉施設、広い空間を必要とする屋内運動場や自動車車庫、公共施設でも採用されています。
今ではもともと鉄骨在来建築やRC造、木造で検討されていた計画を、コストや工期の観点からシステム建築に置き換えるケースも珍しくありません。現代のシステム建築はスペックとコスト、工期のバランスを高次元で整合させ、円滑なプロジェクト推進に寄与しています。
内藤ハウスは50年以上の歴史で培ったノウハウを背景に、軽量鉄骨建築の実績を数多く積み重ねてきました。そして、それらを基盤にしてシステム建築においても時代の変化に即した最適な建築が提供できる体制を整えています。ここからは内藤ハウスのシステム建築が持つ特徴をご紹介しましょう。
・自社一貫体制によるマネジメント
最大の特徴は提案から設計、部材製造、施工までを自社グループで完結させるワンストップ体制です。プロセスごとに各社へ分散するのではなく、自社工場で直接管理を行うため、部署間の連携がスムーズで、現場への意図伝達も正確です。予期せぬトラブルに対する迅速な対応も可能で、コストの最適化と高精度な工期管理を両立しています。
・システム化とオーダーメイドの両立
内藤ハウスのシステム建築はあらかじめ用意されたパッケージを当てはめるだけのものではありません。長年の実績から導き出した標準規格を核としながら、敷地条件や事業上のこだわりに応じた柔軟なカスタマイズも実現できます。
内藤ハウスでは企業の個性を反映した外装デザインから、特殊な用途に応じた仕様や形状対応、さらには将来の増設・増築を見据えた構造計画にいたるまで、システム建築の枠組みを最大限に活かしたプランニングを行います。コストパフォーマンスと使い勝手を両立させるのが内藤ハウスのスタイルです。
・ 用途に応じた最適な構造選定
内藤ハウスでは、最大無柱スパン60mを可能にする大空間の工場・倉庫向けの重量鉄骨システム建築から、徹底した標準化で経済性と短工期を追求した軽量鉄骨システム建築まで、多彩なラインナップを揃えています。これによって用途や規模、予算に合わせてどの構造が最も合理的かを、柔軟に判断できる点も特徴です。
さらには過剰なスペックを抑え、必要な強度や性能はしっかりと確保するバランス感覚により、事業における投資対効果を最大化する建築を実現します。
・ 創業から続く課題解決力
内藤ハウスは創業以来、様々な建物用途のシステム建築ノウハウを培ってきました。長年の設計、生産、施工のノウハウを基に、建物の使い勝手、将来性、ライフサイクルコスト等様々な面で最適な建物をご提案します。
建物は建てて終わりではありません。内藤ハウスが追求するのは地域に根差し、長く安心してお使いいただける建物づくりです。
まとめ
建設コストや工期のリスクが懸念される現代において、システム建築はきわめて現実的で有効な選択肢です。設計・施工のプロセスを体系化することにより、「品質の高さ」を維持しながら事業計画の「予見性」と「スピード」も両立させ、確実で成果の上がる事業を展開させることができます。
内藤ハウスは、50年を超える実績と自社一貫という体制を活かし、お客様の事業に寄り添った最適な建築をご提案します。「品質・コスト・工期」のすべてで納得できる内容をお求めの際は、ぜひ内藤ハウスのシステム建築をご検討ください。
参考リンク:「内藤ハウスのシステム建築・プレハブ事業」
一級建築士
辻 久(つじ ひさし)
INA新建築研究所を経て独立し、建築設計due代表を務める。現在まで20年以上、一級建築士事務所を運営し、住宅、店舗、集合住宅、医療福祉施設など多数の設計監理実績がある。