軽量鉄骨とは?耐用年数や重量鉄骨との違いは?減価償却など税務上の違いも解説

2025/12/26

目次

 

誰でも自分が暮らす、あるいは使用する建物は、できるだけ長く快適に使いたいと思うものですが、それを左右するのが建築用の部材と構造です。部材・構造の選択や決定は耐震性・耐久性を左右し、税金や資産価値にも大きな影響を与えます。
本記事では軽量鉄骨と重量鉄骨に見る構造上の違いと、税務上の違いについて解説します。また、軽量鉄骨・重量鉄骨の両分野で豊富な実績を持つ内藤ハウスの『システム建築』もご紹介いたします。

1.「軽量鉄骨」とは? その特徴や重量鉄骨との違い  

12-1-02

「軽量鉄骨」とは厚さ6mm未満の薄い鋼材のことで、これを骨組みなどに使用したのが「軽量鉄骨造(けいりょうてっこつぞう)」の建物です。

軽量鉄骨造は地震などによる揺れに対し、木造と比べて耐久性に優れる傾向にあります。品質も安定しているうえに、施工性やコストパフォーマンスも高いので、小規模〜中規模建築によく用いられます。軽量鉄骨造にはブレース構造が用いられることが多く、柱と梁を斜めのブレースで補強した構造により、比較的少ない材料で効率的に強度を確保し、高度な耐震性を得ることができます。

一方、「重量鉄骨」とは厚さ6mm以上の鋼材のことで、それを使用した建物の構造は「重量鉄骨造」と呼ばれます。強度が高いことから大規模な建築物や高層ビルによく用いられます。しかし、鉄骨の厚みが増せば材料費も高くなるので、建築費は軽量鉄骨造より高額になりがちです。

また、軽量鉄骨を使えば建物の重さが比較的軽くなるため、地盤を補強する工事(杭など)は不要となる場合がありますが、重量鉄骨は重量があるので地盤によっては高額な補強工事が必要となるでしょう。


2.「軽量鉄骨」税務上のポイントと減価償却、耐用年数    

12-1-03

それぞれの建築物には構造や建材によって、法人税法施行令に基づき、耐用年数が定められています。「法定耐用年数」というのは国税庁によって税制上で設定された建物の耐用年数であり、建物がどれぐらい使用できるかという実際の寿命(物理的耐用年数)とは異なります。

法定耐用年数は建物を資産として評価した年数が設定され、主として減価償却費の計算に使われます。鉄骨造の場合、国税庁が設定している耐用年数は以下の通りです。

細目

骨格材の肉厚:耐用年数

事務所用のもの

4mmを超えるもの:38

3mmを超え、4mm以下のもの:30

3mm以下のもの:22

店舗用・住宅用のもの

4mmを超えるもの:34

3mmを超え、4mm以下のもの:27

3mm以下のもの:19

飲食店用・車庫用のもの

4mmを超えるもの:31

3mmを超え、4mm以下のもの:25

3mm以下のもの:19

旅館用・ホテル用・病院用のもの

4mmを超えるもの:29

3mmを超え、4mm以下のもの:24

3mm以下のもの:17

公衆浴場用のもの

4mmを超えるもの:27

3mmを超え、4mm以下のもの:19

3mm以下のもの:15

工場用・倉庫用のもの(一般用)

4mmを超えるもの:31

3mmを超え、4mm以下のもの:24

3mm以下のもの:17

 

出典:主な減価償却資産の耐用年数表(国税庁)
関連ページ:よくあるご質問「システム建築の法定耐用年数は何年ですか?」|株式会社内藤ハウス

この区分は骨格材(鋼材)の厚さのみで決まっていますが、前述の6mmを境とする「軽量鉄骨/重量鉄骨」という建築物においての区分とは異なるので注意が必要です。

例えば、軽量鉄骨造ではプランによって骨格材3.2mmの柱を使うことがありますが、その場合は鋼材の厚みが4mm以下になります。しかし、厚さ4.5mmの鋼材を使った場合、建築業界では「軽量鉄骨」ですが、税務上の扱いは「重量鉄骨(鋼材4mm超)」となり、耐用年数が変化します。

同じ大きさの建物でも採用した軽量鉄骨の厚さが償却期間に大きな影響を与えます。資産価値を左右する部材・構造の取捨選択は慎重に考える必要があります。


3.内藤ハウスのシステム建築は軽量・重量に関係なく構造の選択が自由!   

mo42_外観1


内藤ハウスは軽量鉄骨・重量鉄骨の両分野で豊富な実績があり、とりわけ設計・制作・施工を一貫して提供する『システム建築』には定評があります。

システム建築というのは建物をモジュール化し、設計・製作・施工を一貫管理する工法です。現場での調整を最小限にすることで短工期での引き渡しと高品質の両立が可能となります。また、建築部材を標準化するとともに、建築生産トータルをシステム化・商品化することで、低コストをも実現させることに成功しました。システム建築を取り入れることは、重量鉄骨か軽量鉄骨かといった単なる「鉄骨の選択」にとどまらず、企業競争力を高める戦略的な選択となり得ます。

それだけでなく、内藤ハウスのシステム建築では計画段階での柔軟な対応力も強みとなっています。例えば、大規模建築であっても条件次第(2階以下、建物の短辺方向が7.2m以下、シャッター等の開口部が少ない、2階の床荷重が事務所程度)で鋼材を4mm以下にできる可能性を探るなど、様々な観点から構造の選定や設計を進めていきます。

さらに、内藤ハウスのシステム建築では同じ軽量鉄骨でも、軽さに特化した商品もご用意しています。高架下などの地盤面に負担をかけられない現場用に軽量鉄骨造のノウハウを活かした商品を開発。部材のスリム化を徹底するとともに、低価格・短工期・高品質も実現させました。

基本プランから内藤ハウスのシステム建築をお選びいただくことで尺モジュール・メーターモジュールなどの選択も可能です。別構造からの計画変更にも対応していますので、重量鉄骨造、RC造、木造の計画から軽量鉄骨造への置換も柔軟な発想で検討いたします。

4.内藤ハウスの軽量鉄骨、重量鉄骨で柔軟な設計を実現  

md02_外観
軽量鉄骨、重量鉄骨にはそれぞれメリット・デメリットがあるため、建物の建築においてはそれらの特徴を踏まえて構造を選択することになります。さらに、前述の通り税務上の扱いによっても部材・構造の選択は変わってきます。大規模建築であっても鋼材の厚みを薄くすることができれば、税制上の大きなメリットを得ることができるでしょう。

内藤ハウスでは建物の用途や規模に応じた構造を検討するだけでなく、税制上のメリットも考慮した構造を提案することが可能です。建物の用途に合わせて必要以上に重くならないよう、そしてもちろん強度不足にもならないよう、最適な構造設計を行います。

内藤ハウスでは軽量鉄骨・重量鉄骨が持つそれぞれの特徴・機能を活かした様々な用途の建物をお客様のご要望に応じてプランニングいたします。軽量鉄骨と重量鉄骨のハイブリッド構造も対応可能です。
立地状況や環境、地盤、建物の用途、意匠性の有無などを考慮して、鉄骨造の特徴を活かしつつ、お客様のご要望を最大限に取り入れたオーダーメイドの設計・施工が対応可能な内藤ハウスに、ぜひご相談ください。

内藤ハウスのシステム建築については、下記から資料ダウンロードが可能です。
■システム建築・プレハブ|株式会社内藤ハウス

また、重量鉄骨については下記の記事もご覧ください。
■工場建設は重量鉄骨システム建築へ!中小企業が補助金を活用して生産ラインを拡大中

ライタープロフィール

2025_1105_writer

一級建築士、商業施設士マイスター
小薗江 正美(おそのえ まさみ) 

 大学卒業後、建築設計事務所、商業施設開発コンサルティング会社、外資系ラグジュアリーブランドのストアデザイン部門責任者を歴任、現在は大手建築設計会社に在籍しながら個人で設立した会社にて、商業施設の企画開発、設計、ブランドビジネスの内装デザイン、また簡易宿泊施設・ホステルの企画開発・デザイン・運営、住宅のリフォームやステージング、空き家再生など、30年以上経験。HP:https://artiscourt.amebaownd.com/

この記事を読んだ人は次の記事も読んでいます