東京理科大学との建築構造システムの共同開発について

2022/02/17
  • サービス

 株式会社内藤ハウス(以下当社)は、東京理科大学 工学部建築学科 伊藤拓海教授と共同で研究し、プレハブ・システム建築に対して新たな付加価値をもたらすため、意匠性と耐震性に優れた建築構造システムを開発しています。

 
取り組み背景

 国内の建築業界における木材動向は、2010年「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」をはじめ、脱炭素社会実現に向けて木材利用拡大のための各種取り組みが活性化しています。世界有数の森林大国である我が国においてもSDGsの観点から、これまで以上に木を利用した建築物への関心と需要が高まっていきます。

 当社では、SDGsの理念に則り、社会課題の解決、地域社会の貢献のため、システム建築の技術向上を通じて「安全で快適な街づくりの創出」と「環境負荷の低減」の両立をはかり、サステナブル建築の実現を目指していきます。

 
取り組み内容

 プレハブ・システム建築に対して新たな付加価値をもたらすため、 意匠性と耐震性に優れた次世代型建築物『S造壁式工法』を開発しております。

 S造壁式工法とは、RC造の低層マンションなどで見られる壁式工法をS造で取り入れたものです。通常の壁式工法では、壁と床の面で建物を支えるため、多くの解放性を設けることが難点となっております。この工法では鉄と木を組み合わせた耐力壁パネルを局所配置することで耐震性を持たせています。 これにより、従来のS造ブレース工法の課題であった連続解放性や自由な平面計画を実現することが可能です。また、耐力壁に意匠性を持たせることで壁そのものにも開放性を持たせているのがこの工法の魅力の1つです。

 施工性についてもシステム建築ならではの落とし込み工法を採用することにより、複雑な技術を必要とせず、スピーディーな施工を実現します。環境と職人に優しい建物を低価格・ハイデザインでお客さまにご提供いたします。

 
イメージ図
S造壁式 (大)

 本プロジェクトは、「令和元年度次世代イノベーション創出プロジェクト2020助成事業」を通して、東京理科大学 伊藤拓海教授と産学連携による共同研究を行っています。この助成事業は、次世代の産業を牽引するような中小企業に向けて、技術開発要素のある大型開発プロジェクトを支援するものです。開発支援テーマに基づき、中小企業を核とした連携体(他企業・大学・研究機関等)が行う技術・製品開発に要する経費の一部を都が助成する仕組みとなっています。

 当社は9つある開発支援テーマの内「1.防災・減災・災害予防に関する技術・製品の開発」でエントリーしています。

東京理科大学 工学部建築学科 伊藤拓海 教授
■主な研究分野 鋼構造学、耐震工学、防災工学、制振構造、合成構造(木-鉄、土-鉄)、応用力学 自然災害から人と生活を守る、安全・安心な建物の研究を行っている。
■受賞例 2019年10月3日(大成学術財団) 大成学術財団選奨 銅賞 「IoTによる都市・建物の防災・避災・減災の高度化に向けた実用化研究」 2007年3月(日本建築学会) 関東支部若手優秀研究報告賞 「鉄骨せん断型骨組の塑性崩壊に関する降伏曲面モデルへの硬化則の適用」 2004年8月(日本建築学会) 日本建築学会奨励賞(論文賞) 「鋼構造多層ラーメン骨組の簡略化塑性崩壊面モデルによる非線形動的応答解析」