目次
事務所と倉庫を必要とするビジネスは多いですが、それらを別々の場所に建設するとコストや手間が増えます。こうしたことから注目されているのが、同じ建物内で1階を倉庫、2階を事務所にした「事務所+倉庫の一体型」建築です。この建て方には多くのメリットがある反面、計画・建設にあたっては注意すべき点もいくつかあります。
本記事では土地を有効活用することが可能で、効率的なビジネス運営ができる「事務所+倉庫の一体型」建築のメリット・デメリットと、内藤ハウスの軽量鉄骨造を採用することによる強みをご紹介します。
1.事務所・倉庫一体型の建築にするメリットと人気の理由
事務所と倉庫を同じ建物の内部に設けることは、今、特に中小企業様から注目されている手法です。この建て方はなぜ人気があるのでしょうか。「事務所+倉庫の一体型」建築の主なメリットをご紹介します。
スペースを最大限まで有効活用
倉庫と事務所を別の場所に建設する場合、当然2か所分の土地を探さなければなりません。しかし、倉庫と事務所を一体化すれば必要な土地は1施設分に集約されるので、スペースを有効活用できて土地探しの時間も減らせます。
業務効率の向上
事務所と倉庫が同じ建物の中にあれば、資材を出し入れする際の配送指示や、在庫管理の対応などがスピーディかつスムーズに行えます。こうしたことは業務効率の向上にもつながります。
建設コストの削減
倉庫と事務所を別々に建てれば建築設計の手間と建設費用は2施設分になります。事務所・倉庫一体型なら1施設分のコストで賄えるため、建設コストの大幅な削減になります 。
顧客満足度の向上につながる
倉庫と事務所が同じ建物の中にあれば、物流と情報の伝達が迅速になるため、おのずと顧客への対応もスムーズになり、顧客の満足度がアップします。
このように、倉庫と事務所の一体化は多くのメリットを生みます。こうしたメリットを最大限に活かせば企業の競争力を高めることもできるでしょう。
2.1階倉庫・2階事務所にする際の注意点 用途地域

1階倉庫・2階事務所の建築には様々なメリットがありますが、実際の計画にあたっては、デメリットもあることを踏まえなければなりません。事務所と倉庫を一体型にする際の注意点を2つまとめました。
両方の機能を備えた建物を設計することが技術的に難しい
倉庫・事務所の一体化建築には、1つの建物に2つの異なる性能を組み込む設計が必要です。そのためプランニングは倉庫だけ、事務所だけの建物と比べて非常に難しくなります。
例えば、事務所は居室ですが、倉庫は非居室なので、それぞれの設備基準が異なります。また、倉庫は建築基準法上の特殊建築物となるので、防火性能など事務所とは違った制限がかかります。これらの基準を両方ともクリアするには高度な技術が求められます。
用途地域による建築制限があること
1階倉庫・2階事務所の建築にあたっては、用途地域の建築制限にも注意が必要となり、土地探しのハードルが上がる可能性があります。
住居系用途地域で特に注意が必要となります。第二種中高層住居専用地域(2階以下・床面積1,500㎡以下)、第一種住居地域(床面積3,000㎡以下)、および第二種住居地域は事務所の建設が可能ですが、倉庫は建設できません。したがって、これらの地域における「事務所+倉庫の一体型」建築は建設不可となります。準住居地域では、事務所+倉庫一体型建築の建設が可能です。倉庫の建設は可能だが事務所は建設不可、といった用途地域はありません。
建設予定地の用途地域は、事務所と倉庫の併設建物に適切か、事務所機能を重視するのか、倉庫機能を重視するのかによっても用途地域の選択基準が変わってきます。
1階倉庫・2階事務所の建築を考える場合は、計画の段階からこうした点を十分に理解して、対策を立てることが重要です。
3.1階倉庫・2階事務所の建物には軽量鉄骨がおすすめ
1階倉庫・2階事務所の建物を建設する場合、構造として一般的なのは鉄骨造です。特に工期と価格を抑えたい場合は、軽量鉄骨は非常にメリットが多い構造です。※1,000㎡を超える大規模な倉庫の場合は、倉庫を「重量システム建築」、事務所を「軽量システム建築」の別棟にする事でメリットを出せる事が多くあります。
ただし、軽量鉄骨造は建築プランによって費用が大きく変動します。また、前述の通り1階倉庫・2階事務所の建築計画には多くの経験と技術が必要です。こうしたことから設計・施工会社を選定する際には、軽量鉄骨による1階倉庫・2階事務所建築の実績が豊富で、コストと機能を両立できる会社を選ぶことが重要です。
内藤ハウスの軽量鉄骨を使用した「軽量システム建築」は、軽量鉄骨造のノウハウに基づき、現場ごとに加工されていた柱・梁を規格化。さらには設計・製作・施工をシステム化し、工場で大量生産することにより、コストと工期の短縮を実現します。1階倉庫・2階事務所の建物を安く早く建てたい人にとって、内藤ハウスの軽量システム建築は特におすすめです。
実際に、内藤ハウスで重量鉄骨造を軽量システム建築に置き換えた事例をご紹介します。
在来は7.5m×7.5m、112平方メートルの1階倉庫・2階事務所という重量鉄骨造の建物ですが、ブレースが入らず、開放的な空間+間口が自由に取れるものの、フレーム重量と基礎量が大きくなっていました。これを内藤ハウスの軽量システム建築に置き換えることで、柱梁重量を45%、基礎量は52%の削減に成功しました。

そのため、軽量鉄骨造のシステム建築は、安く、早く建てられるのです。
4.機能性の確保と建設コストの抑制に向けたベストソリューション

内藤ハウスは創業から50年以上の建築実績を持ち、全国に多種多様な用途の軽量鉄骨造の建物を建設してきました。内藤ハウスが提供する軽量システム建築は多様なニーズへの対応が可能であり、機能性やコストなどの課題を解決へと導くベストソリューションとなります。
具体的には以下のような強みを持っています。
豊富な商品シリーズ
内藤ハウスでは、多様な需要に対応できる豊富な商品シリーズを展開しています。鉄骨・外壁を工場で製作し、工期とコストを抑えられる「規格型(MATCH-Panel)」、シンプルな構造で外壁デザインの選択肢が増える「セミオーダー型(MATCH-Core)」、そしてフルカスタムで自由に要望を実現できる「オーダー型(MATCH-Order)」、さらには倉庫専門ブランドである「SoZoCo」などを取り揃え、多様な需要に対応可能です。
提案力の高さ
創業以来、培ってきたノウハウを活かして独自の豊富な経験と高度な技術を駆使し、案件ごとに最適な構造・工法を選定する提案力の高さも強みです。用途に応じた柔軟な構造提案が可能で、多様な企業・自治体から選ばれてきました。
自社一貫体制
内藤ハウスでは、設計・製作・施工まで、すべてを自社一貫体制で完結。ZEB対応や補助金申請もワンストップでサポートします。これにより、納期・コスト面で高い競争力を確保します。
メリハリのあるプランニング力
予算や納期が厳しい場合もメリハリのあるプランニングで対応します。過度なデザイン性や開放的な空間、複雑な建物形状を避けながら、抑えるところは抑え、しかし、力を入れるところは力を入れた、バランスの良いプランニングが可能です。
様々なニーズに対応
1階倉庫・2階事務所の建築のみならず、様々なプランニングニーズへの対応、建築プランの提案も可能です。軽量システム建築だけでなく、重量システム建築も選択肢となり、お客様の様々なニーズに対し、最適な構造を提案いたします。
内藤ハウスではお客様の利益と未来を考え、常に客観的な視点から課題点や最適な解決策を提案します。全国各地において豊富な施工実績があり、1階倉庫・2階事務所の建物だけでなく、大型・小型施設、駐車場、工場、事務所などの建築で多様な事例を持つ内藤ハウスにぜひご相談ください。
また、内藤ハウスのシステム建築については、下記の記事もぜひご参照ください。
■システム建築・プレハブ|株式会社内藤ハウス最適設計×システム建築」―軽量鉄骨と重量鉄骨の最適な組み合わせで課題を解決!
ライタープロフィール

一級建築士、商業施設士マイスター
小薗江 正美(おそのえ まさみ)
大学卒業後、建築設計事務所、商業施設開発コンサルティング会社、外資系ラグジュアリーブランドのストアデザイン部門責任者を歴任、現在は大手建築設計会社に在籍しながら個人で設立した会社にて、商業施設の企画開発、設計、ブランドビジネスの内装デザイン、また簡易宿泊施設・ホステルの企画開発・デザイン・運営、住宅のリフォームやステージング、空き家再生など、30年以上経験。
